このページの要点
- 返品を受けない特約は、広告と注文の最終確認画面の両方に、可否・条件・送料を明瞭に表示して成り立つ(特定商取引法15条の3)。
- お客様の都合の返品と、注文と違う物・不具合は別。後者は「返品不可」と書いても、契約不適合の責任が残る。
- ケア用品の効能は、爪を保護する・すこやかに保つ・うるおいを与える、の範囲で書く。肌に合わないときの案内も添える。
- キャラクター柄やロゴのチップは、許諾がなければ売らない。素材の規約、商標、作り手との権利の帰属を売る前に確かめる。
最初に結論:売る物を4つに分け、表示・返品・権利の決め方を変える
結論
店頭で手渡しなら、お客様は実物を見て納得して買います。InstagramのDM、自社のネットショップ、販売サイトへのハンドメイド出品のように売り方が広がると、実物を見ないまま申し込み、届いてから違和感を持つ人が出ます。何を約束して売ったのかが申込みの前に見える形で書いてあるかどうかが、結論を左右します。実務では、利用規約に物販の一条を足しただけで、ネット販売としての表示や返品の定めが整っていない例が目立ちます。売る物を次の4つに分けて考えます。
売る物の4分類と、決めること
| 売る物 | 例 | 表示と返品の方向 | 確認すること |
|---|---|---|---|
| 既製のチップ | 完成品、セット販売 | 返品特約を広告と確認画面に表示。衛生上、開封後・装着後は不可、未開封なら期間内は可、など | 返品の可否、送料、不具合の連絡方法 |
| 指定して作るチップ(受注制作) | 指の幅を採寸、色や柄を指定 | 受注品であることを表示。着手後のキャンセルの精算とサイズ違いの扱いを別に決める | 採寸の案内、着手の線、納期の目安 |
| ケア用品 | ネイルオイル、ハンドクリーム | 開封後は不可などを決める。効能は化粧品として言える範囲に | 化粧品に当たるか、使用上の注意 |
| 付属品・材料 | 接着剤、粘着タブ、パーツ | 用途と注意を添える。業務用品の小分け販売は避ける | 成分・用途の表示 |
サロン全体の規約・表記はネイルサロンの利用規約・プライバシーポリシー・特商法表記で扱っています。ここでは物販に絞ります。
ネットで売るときの表示と、返品特約の書き方
ネットで申込みを受けて商品を送る販売は通信販売で、広告に決められた事項を表示します。返品特約を広告に表示していないと、商品を受け取った日から8日以内は、お客様は申込みの撤回や解除ができ、返送の費用はお客様の負担です。特約を表示していれば、特約が優先します(特定商取引法15条の3)。
自社サイトのカート注文は通信販売です。InstagramやLINEで紹介し、DMやフォームで注文を受けて発送する形も、当たり得ます。店頭だけの販売は当たりません。販売サイトに出すハンドメイド作品も、営利の意思で繰り返し売るなら、事業者としての表示が必要になることがあります。
ネット販売の表示に関わる主な規定
- 特定商取引法11条広告に、販売価格、送料、支払の時期と方法、引渡時期、申込みの撤回・解除(返品)に関する事項、事業者の氏名・住所・電話番号などを表示する
- 同法施行規則24条3号返品特約は、見やすい箇所に明瞭に判読できるよう表示するなど、容易に認識できる方法で表示する
- 同法施行規則23条5号商品が契約の内容に適合しない場合の責任を限定する特約をするときは、その旨も表示する
- 消費税法63条消費者向けの価格は、消費税額を含めた総額で表示する
消費者庁の返品特約の表示ガイドラインの要点は次のとおりです。
- 返品の可否、条件、送料の負担の三つは、他の事項より明瞭に表示します。
- インターネットでは、広告と最終確認画面の各商品の説明箇所に表示します。価格や申込みボタンの近く、価格と同じ大きさ、色文字・太文字が例で、パソコンの標準設定で12ポイント以上の文字で示す例もあります。
- 「ご利用ガイド」に詳細を書く場合も、商品ごとに「返品不可」「到着後○日以内は可」などを示します。ガイドには「返品について」の見出しを付け、何十条もの購入規約に埋もれさせません。
- 「消耗品類は返品不可」のように、どの商品が対象か分からない書き方は、分かりにくい例とされています。
チップの店なら、「ネイルチップ(既製品)」「サイズ・デザイン指定のオーダー品」「ケア用品」と商品の種類で区切って書きます。「ご相談に応じます」だけでは、返品を受けるのか申込みの前に分かりません。例外的に応じる場合は、店の判断によるもので権利ではない、と別の項に書き分けます。
クレームを避けるために、実際は返品に応じることがある、という店も多くあります。「原則はお受けしません」と書きながら実務では返金を重ねると、事実上の慣行として、表示した特約より店に不利に働くおそれがあります。原則(受けない)、例外(店が個別の事情を見て承諾した場合に限る。未使用、元払いでの返送など条件を付ける)、例外の位置づけ(店の判断で、返品を求める権利を与えるものではない)の三つを、別々の項に書き分けます。
返品特約の条文例(既製品・オーダー品・ケア用品)
既製のネイルチップ及びケア用品の、お客様のご都合による返品・交換は、お受け取り後○日以内にご連絡いただき、未開封かつ未使用の場合に限りお受けします。返送の送料は、お客様のご負担とします。
開封済み又は使用済み(装着、試し塗りを含みます。)の商品は、衛生上の理由から、返品・交換をお受けできません。
サイズ又はデザインを指定したオーダー品は、お客様のご都合による返品・交換をお受けしません。
前三項は、ご注文と異なる商品や不具合のある商品をお届けした場合の当店の対応を制限するものではありません。その対応は第○条に定めます。
日数と条番号は運用に合わせて決め、商品ページ、確認画面、表記と同じ内容にそろえます。
サイズが合わない、写真と違う、欠けていた:三つを分けて決める
お客様の都合による返品は返品特約、注文と違う物や不具合のある物は契約不適合の責任です。後者は「返品不可」と書いても消えません。ガイドラインも、返品特約と不具合時の責任の特約を区別するよう求めており、区別のつかない表示は、返品特約のみを定めたものと解されます。
引き渡された物が種類・品質・数量について契約の内容に適合しないとき、買主は修補や代替物の引渡しによる追完を求められます(民法562条1項)。追完がなければ代金の減額も求められ(同法563条)、不適合を知った時から1年以内の通知が基準です(同法566条)。不適合がお客様の責めに帰すべき事由によるときは、追完を求められません(同法562条2項)。
場面ごとの分け方(一般的な整理)
| 場面 | どちらの問題か | 対応の方向 |
|---|---|---|
| イメージと違う、色が薄い | 返品特約 | 特約に従う。画面で色味が違うことを表示する |
| 選んだサイズが合わない(選び間違い) | 注文どおりなら不適合ではない | 特約に従う。交換に応じるなら任意の対応と書く |
| 注文と違うサイズ・柄が届いた | 契約不適合 | 作り直し又は交換。送料はサロン負担 |
| 届いたとき割れていた、パーツが欠けていた | 契約不適合 | 写真で確認して交換 |
| ポスト投函で届かない | 引渡しがあったかの問題 | 追跡の有無と再送の扱いを決める |
施術のお直し保証はキャンセル料と無断キャンセル・お直し保証で整理しています。物販の不具合は別の定めにします。
サイズオーダーでは、注文の内容を制作の前に特定しておくことが大切です。採寸の位置と単位を写真つきで案内し、お客様の入力したサイズ、デザイン、色、数量を確認のメッセージに書き出して、承認をもらってから作ります。承認どおりに作っていれば、サイズ違いは不適合ではなく、お客様の採寸の誤りです。初回に限り作り直す運用をするなら、法律上の義務ではなく店の判断で、権利ではないと書いておきます。
手作りの品は、不良の線引きが人によって分かれます。ほつれ、寸法の誤差、左右の差などを数値や見本で定め、測る位置を図で示すと運用できます。例えば「承認したサイズに対し、指定の位置で測って○ミリメートルを超える差があるもの」「セット内の幅・長さの差が○ミリメートルを超えるもの」を不良とし、見本の範囲内のラメの位置のゆらぎなど通常の使用に支障のない差は不良としない、と書きます。
「到着後3日以内に連絡がなければ一切対応しない」といった期限は、消費者の権利を制限する条項として、消費者契約法10条の問題になり得ます。早めの連絡をお願いする書き方にして、期間後も法令上の権利を妨げないと添えます。また、損害賠償責任の全部を免除する条項は無効です(同法8条1項1号)。不適合のときに追完や代金の減額に応じる定めがあれば、その免除には同条1項1号・2号が適用されません(同条2項1号)。免責を置くなら、追完と減額には応じる二段にします。
サイズオーダー・デザイン指定のチップは、制作後のキャンセルをどう扱うか
制作の「着手」を先に定義し、着手の前後と材料の手配の前後で精算を書き分けます。消費者に請求できる金額には、同種の契約の解除に伴い事業者に生ずべき平均的な損害の額という上限があり、「着手したら一切不可」「前払い金は返金しない」は、超える部分が無効です(消費者契約法9条1項1号)。
契約は、申込みに対する承諾で成立し、書面は要りません(民法522条)。DMで「承ります」と返せば、制作前でも成立したと見られる余地があります。「承認の返信と前払い金の入金をいただいたときに成立し、それまでは無償で取り消せます」と、見積りの案内の冒頭に書いておきます。
精算の計算例(金額も割合も説明のための例です)
- 税込12,000円のオーダーチップ。承認の前に取消し精算額なし12,000円を返金
- 材料の手配後に取消し(転用できない材料費1,500円)12,000円 − 1,500円10,500円を返金
- 制作の着手後に取消し(実費1,500円+作業の割合40%=4,800円)12,000円 − (1,500円+4,800円)5,700円を返金
- 完成後に取消し、売り直せなかった12,000円 − 0円返金なし
「平均的な損害」は、解除の時期などの区分ごとに、事業者の実態から考えます。請求額の根拠を説明できるようにし、説明を求められたら概要を説明するよう努めます(同法9条2項)。
制作が終わっても、お客様が受け取らないことがあります。連絡のうえ相当の期間を定めて受取りを催告し、期間内に受け取られなければ契約を解除できる、と段階を踏む形にします。保管の費用は実費の範囲にとどめ、内訳を説明できるようにします。実費を超える保管料を一律に定めたり、一定期間で処分して返金しないと決めたりすると、平均的な損害を超える部分が無効になり、消費者契約法10条の問題にもなり得ます。
納期については、「納期は目安で、遅延を理由とするキャンセルは受けない」と書く例があります。いつまで遅れても解除できないと読めると、消費者の解除権を一方的に奪う条項として、同法10条の問題になり得ます。制作期間の目安と、目安から○日を過ぎたら無償で取り消せる、という出口を残します。
採寸データ、手の写真、住所は個人情報です。利用目的をできる限り特定し(個人情報保護法17条1項)、注文フォームのように本人が入力した情報を直接取得するときは、あらかじめ目的を明示します(同法21条2項)。制作事例としてSNSに載せるなら目的を別に示し、掲載の可否を選んでもらいます。発送は、ポスト投函のように受け取りの記録が残らない方法を使うなら、未着のときの調査と再送の扱いを規約に書きます。引渡し後に双方の責めに帰することができない事由で損傷したときは、追完などを求められないため(民法567条1項)、引渡しの時点が負担の分かれ目になります。
ケア用品:化粧品として言える効能と、肌に合わなかったときの備え
爪や皮膚に塗るオイルやクリームは、化粧品に当たる商品が多く、効能は厚生労働省の通知が定める56項目の範囲で表現します。爪に関する項目は、「爪を保護する」「爪をすこやかに保つ」「爪にうるおいを与える」の三つです。「爪が強くなる」「二枚爪が治る」は、通知の項目にない言い方や、治療を思わせる言い方なので、使わずに範囲の言い方にそろえます。サロンでの口頭の説明、SNSの投稿、同梱のカードも広告として見られます。
ジェルは整理が分かれます。令和2年9月4日の厚生労働省の事務連絡では、ベースジェルは爪に直接塗布するため化粧品に該当し、カラージェルやトップジェルは、ベースジェルを硬化させた人工爪に塗るなど爪に直接塗らないことが明らかな使い方なら該当しない、とされています。名称だけでは判断されません。なお、付け爪そのものについて、この通知は触れていません。粘着タブや接着剤も含め、商品ごとに確認します。
自分で配合して瓶に詰める、大きな容器から小分けして売る形は、販売というより製造や加工に近づき、薬機法に基づく許可や届出、容器の表示の決まりが関わることがあります。販売の前に、中身と売り方を整理して、管轄の自治体の薬事の窓口に確認します。
実際よりも著しく優良だと一般消費者に誤認される表示は、景品表示法5条1号で禁止されています。ビフォーアフターを、光や角度で効果が大きく見えるようにするのが典型です。商品を無料で提供して投稿を頼んだり、割引を条件に感想を書いてもらったりした投稿は、事業者の広告として、令和5年10月1日から、5条3号に基づく告示(ステルスマーケティング規制)の対象です。規制を受けるのは、表示の内容の決定に関与した広告主です。詳しくはネイルモニターの契約とSNS集客に書きました。
肌に合わないという連絡に備え、商品ページと同梱の紙に、異常があれば使用を中止し、続くときは医療機関を受診する旨を載せます。商品名、ロット、症状を記録し、製造元に連絡できる体制も必要です。手作りの商品でも、欠陥による損害には、製造した人が製造物責任法で責任を問われることがあります。「トラブルについて一切責任を負いません」は、消費者との契約では責任の全部免除として無効です(消費者契約法8条1項1号・3号)。上限を置くなら、その一文の中に、当店、その代表者又はその使用する者の故意又は重大な過失による場合を除く旨を書きます(同条3項)。
使用上の注意と責任の範囲の条文例(ケア用品)
効果の感じ方には個人差があり、当店は効果を保証するものではありません。
お肌に合わないときや、赤み、かゆみ、痛みを感じたときは、直ちに使用を中止してください。症状が続くときは、医療機関を受診してください。
当店は、当店、その代表者又はその使用する者の故意又は重大な過失による場合を除き、本商品の使用によりお客様に生じた損害(生命又は身体に生じた損害を除きます。)について、本商品の購入代金の額を上限として賠償します。
施術の同意書は施術同意書の作り方を参照してください。
デザインの権利:著作権・商標・意匠・不正競争を売る前に確かめる
キャラクターやブランドのロゴを描いたチップを売る行為は、自分で楽しむために作る行為とは別です。著作権法は、思想又は感情を創作的に表現したものを著作物とし(2条1項1号)、著作者に、複製する権利(21条)、翻案する権利(27条)、複製物の譲渡により公衆に提供する権利(26条の2)を認めています。キャラクターの絵を描けば複製、似せて描いても元の作品に基づくなら翻案に当たる余地があり、売れば譲渡の問題です。「○○風」「公式ではありません」と添えても、侵害でなくなるわけではありません。
侵害されたとき、権利者は停止・予防や、侵害により作られた物の廃棄を請求できます(同法112条)。侵害品を情を知って頒布する行為も侵害とみなされ(同法113条1項2号)、著作権の侵害には、10年以下の拘禁刑若しくは1,000万円以下の罰金、又はその併科があり得ます(同法119条1項)。個人のハンドメイド販売も対象です。ロゴを入れる場合は、商標権や、周知・著名な商品等表示と同一・類似の表示を使った商品の譲渡(不正競争防止法2条1項1号・2号)の問題も加わります。
素材サイトの画像は、利用規約で商用利用やグッズ化、加工、クレジット表示の条件を確認し、出どころを記録に残します。生成した画像も、既存の作品に似て、その作品に基づくと見られれば問題になります。他のネイリストのデザインについては、他人の商品の形態を模倣した商品の譲渡は不正競争の一つですが(同法2条1項3号)、日本国内で最初に販売された日から3年を経過した商品の形態の模倣には、差止めなどの規定が適用されません(同法19条1項6号イ)。ありふれた配色やパターンは著作権でも保護されにくく、どこまで守られるかは個別の判断です。
- 著作権は創作した時に手続なく発生します(著作権法17条2項)。創作性が弱いと守りにくいため、制作過程の写真と日付を残します。
- 意匠権は出願して登録を受けます。令和2年4月1日以降の出願は、出願日から最長25年です。売り出して公開した後では登録を受けにくくなるため、先に検討します。
- 店名やシリーズ名は商標登録できます。権利は設定登録から10年で、更新できます。使う前に、特許庁のJ-PlatPatで他人の登録がないかを確かめます。
スタッフや外部の作家に作ってもらうときは、成果物の権利を契約で決めないと、作った人に残ります。譲渡してもらうなら、翻案権など(27条の権利)を対象に明記し、著作者人格権は行使しない旨を書きます。個人の作り手に発注するときは、条件の明示(フリーランス法3条)や、受領した日から60日以内の報酬の支払期日(同法4条1項、特定業務委託事業者の場合)も関わります。スタッフとの契約はネイリストとの業務委託契約書・秘密保持契約書、辞めた後の作品や写真はネイリストが辞めるときの手続で扱っています。
製作委託契約書に「第三者の権利を侵害しないことの責任は作り手がすべて負い、発注者に損害を生じさせない」と書く例があります。しかし、お客様に対して売主として責任を負うのは、売ったサロンです。サロンが指定した図案や素材に起因する場合の負担、請求を受けたときの通知と協力、サロンが先に対応した場合の求償を、分けて書いておきます。
よくある失敗と直し方
物販の規約・契約書の書き直し
返品を受けない理由
返品特約は、広告と最終確認画面への表示で成り立つ。消費者契約法8条は責任の免除を無効とする規定で、返品を断る根拠にならない。
個体差
一般論の免責は弱い。契約の内容を具体的にして、範囲内か外かで判断できるようにする。
納期とキャンセル
消費者の解除権を実質的に奪う書き方は、消費者契約法10条の問題になり得る。
外部の作り手への発注
お客様への売主責任は売ったサロンが負う。作り手との負担の分け方を、原因ごとに決める。
不具合の連絡の期限
民法566条は、不適合を知った時から1年以内の通知が基準。消費者の権利を制限する書き方は、消費者契約法10条の問題になり得る。
使用によるトラブルの免責
全部免除は消費者契約法8条1項で無効。上限を置くなら、故意・重大な過失を除く旨をその一文の中に書く(同条3項)。
書き換えの例は一般的な書き方です。日数や金額は、サロンの運用に合わせて決めます。
ヒヤリングで確認すること、そして起きがちなこと
ネイルチップ・ケア用品を売る前の問い
- どこで売りますか。店頭、自社サイト、DM、LINE、販売サイトのどれですか。ネットで申込みを受けるなら通信販売として表示が必要になる。入口ごとに返品特約の表示場所が変わる。
- 既製品ですか、注文を受けてから作る物ですか。返品とキャンセルの考え方が違う。商品ページと確認画面で区別して表示する必要がある。
- サイズは、お客様が測りますか。測り方の案内はありますか。注文の内容を特定する材料になり、サイズ違いが不適合か選び間違いかを分ける根拠になる。
- ケア用品は仕入れ品ですか、自作ですか。小分けしますか。自作や小分けは製造や加工に近づき、許可や表示の確認が必要になる。
- 柄に、キャラクター、ブランド、素材サイトの画像を使っていますか。許諾と素材の規約を確認するため。出どころの記録がないと、問題が起きたときに説明できない。
- 商品の写真に、お客様の手やモデルの手が写りますか。SNSに載せますか。個人情報と掲載の同意の問題になる。商品の写真と制作事例の写真は、同意の取り方を分ける。
- チップを作るのは、ご自身だけですか。スタッフや外部の作家にも作ってもらいますか。成果物の権利の帰属、不良の基準、お客様への責任の分け方を、契約で決める必要があるため。
- 発送は追跡つきですか。返金はどの方法で、いつまでに行いますか。引渡しの時期と事故の負担、返金の方法を、返品特約や表記と同じ言葉で書くため。
回答を書き出して、規約・表記・商品ページ・確認画面のどこにも書かれていない項目があれば、その部分が抜けです。
起きがちなこと
開業時に整える書類全体はネイルサロン・自宅ネイルサロンの始め方で整理しています。物販は、規約、表記、返品特約、キャンセル、権利を一つの線でつなぎ、同じ言葉で書き揃えると、説明しやすくなります。
よくあるご質問
ネイルチップを自宅サロンのInstagramで売るとき、特定商取引法に基づく表記は必要ですか。
投稿を見てDMやフォームで申込みを受け、商品を送る形は、通信販売に当たり得ます。その場合は、価格、送料、支払の時期と方法、引渡時期、返品に関する事項、事業者の情報などを表示します。住所を公開したくない場合の方法は、利用規約・特商法表記のページで説明しています。
返品を受けないと決めたら、どこに書けば有効になりますか。
広告と注文の最終確認画面の、見やすい箇所に表示します。返品の可否、条件、送料の負担は、他の事項より明瞭に書きます。規約の中にだけ書いても、表示としては足りません。表示がないと、商品を受け取った日から8日以内は、返品を求められる可能性があります。
サイズオーダーのチップが合わなかったと言われたとき、作り直す義務はありますか。
注文どおりのサイズで作っていれば、契約の内容に適合しており、作り直す義務は生じにくいです。一方で、注文と違う物をお届けしたときは、作り直しや交換に応じる必要があります。どちらかを判断できるよう、制作前に注文のサイズを確認して、承認を受けておきます。
ネイルオイルに「爪が強くなる」と書いてもよいですか。
化粧品として表現できる効能は、厚生労働省の通知で範囲が定められており、爪については、爪を保護する、爪をすこやかに保つ、爪にうるおいを与える、の三つです。「強くなる」は通知の項目にない言い方のため、使わず、範囲に沿った言い方にします。
好きなキャラクターを描いたネイルチップを、ハンドメイドとして販売してもよいですか。
権利者の許諾がない限り、避けるべきです。キャラクターの絵を描けば複製に、似せて描けば翻案に当たる余地があり、それを売れば譲渡の問題になります。「○○風」と書いても、侵害にならなくなるわけではありません。ロゴを使う場合は、商標権や不正競争防止法の問題も加わります。
あわせて読みたいページ
本ページは一般的な情報提供です。個別の店舗への当てはめは、提供するメニュー、スタッフの働き方、お客様が事業者か個人かなどによって異なります。書き方の例として紹介している内容は、一般に見られる書き方を整理した例で、特定の事業者や案件を示すものではありません。条文は e-Gov法令検索で確認しています。参考: e-Gov法令検索 / 消費者契約法(消費者庁) / 公正取引委員会 フリーランス法 / 個人情報保護委員会 / 厚生労働省 / 国民生活センター / 小規模事業者持続化補助金(商工会地区の事務局) / 同(商工会議所地区の事務局)